- 著者
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土佐光信//〔原図〕,住吉如慶//〔模写〕
- 出版者
- 写
- 巻号頁・発行日
- 1649
室町時代成立の御伽草子の一つ。老夫婦が拾って育てた娘が猿にさらわれ妻にされようとするのを、狩人が救うという物語。小型の絵巻で一部淡彩を施し、画中の人物には台詞を書き入れる。巻末の住吉内記の識語に拠れば、原本は土佐光信(15世紀末〜16世紀初)筆。奥書に「慶安二年〔1649〕三月 如慶主」とあり、住吉如慶(1599-1670)による模写。如慶は名を広通、通称を内記、土佐光吉・光則に師事し、寛文2年(1662)勅命により住吉氏を称し住吉派の祖となった。ただし、如慶の号は寛文元年の剃髪以降なので、奥書は後の追記と思われる。