著者
空海//撰
巻号頁・発行日
1352

空海(774−835)が著した日本ではじめての梵字の解説書。梵字の起源、陀羅尼の意義、個々の文字の意義を述べる。本版は、南北朝時代正平7年(1352)、紀州高野山において法眼重祐の発願により刊行された。巻末に刊記がある。高野山では京都、奈良の影響をうけて鎌倉時代中期頃から刊経が興隆、その出版物は高野版と総称される。南北朝時代には、用紙、刊刻、墨色みな粗悪になったといわれるが、本版は、紙質はやや劣るものの、両面刷、墨色漆黒、版式も整っている。本文14丁。装幀は粘葉装。後代のものであるが、朱色地に茶色斑点入の高野山特有の表紙を付す。

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