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岩崎常正<岩崎潅園>//著
飯沼慾斎(1783-1865)の『本草図説』と並び称せられる江戸時代末に作られた二大植物図譜のひとつで、江戸下谷生まれの幕臣岩崎灌園(1786-1842)の著作。野生種、園芸種、外国産の植物の巧みな彩色図で、余白に名称・生態などについて説明を付し、『本草綱目』の分類に従って排列している。巻5-10は文政13(1830)年江戸の須原屋茂兵衛、山城屋佐兵衛の刊行。以下巻11-96は筆彩の写本で制作、三十数部が予約配本され、弘化元(1844)年に配本が完了した。当館本は、巻5-8が版本に手彩色、巻11-96が筆彩写本。本多豊後守助賢が配本されたもので、後に本草学史の研究で著名な植物病理学者、理学博士白井光太郎(1863-1932)の手に渡っていたものである。当館では、他に田安家旧蔵本(請求記号 に-25)等を所蔵する。