2 0 0 0 OA 北里歌

著者
玄味子 著
出版者
巻号頁・発行日
1700

玄味子(市河寛斎)著、磯田湖龍斎画。遊里風俗絵入り漢詩集。明和頃、申椒堂(須原屋市兵衛)刊。大本1冊。跋九日山人(平沢旭山)。墨摺り。東奥逸客(藤塚知周)の序に「余得玄味子所伝北里歌於九日山人之処焉」云々とあり、九日山人宅で得た玄味子の竹枝「北里歌」について、その詩文が「北里」(新吉原)の妖態を模し、嬌情を表すことの妙趣なるを愛玩する余り、湖龍子に絵を請い、板行に及んだという。序に次いで、玄味子の「北里謌三十首」を置き、「鄭衛之声放於仲尼、其詩列之雅頌、所以不舎其言也、余欲輯全唐詩逸、故於此篇特表出之」とあり、「全唐詩逸」の編纂を意図するゆえに、この篇を著したという。本文は、見開きごとに卑俗な表現を用いて遊里の風俗を叙した詩句(竹枝)を掲げ、各詩句を異なる書風によって表記するが、書は鳳兮、吾従、桃花女、偸楽山人、遊女筒井、三世路考、東野山人、その他、俳人、遊女、役者、書家など多様な人々による。絵は湖龍斎の繊細で妖艶な味わいの美人画で、廓の内部の諸相を巧みに描出する。(鈴木淳)

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市河寛斎の北里歌に3代目瀬川菊之丞(路考)が書いたものがあるというのを目にしたが、これか。ちょうど岩波文庫の『江戸漢詩選(下)』に採られた一首。絵はもちろん湖龍斎。 https://t.co/jiOVtmjVzH https://t.co/D5U10tHXrI
玄味子(市河寛斎)著・磯田湖龍斎画『北里歌』天明6年(https://t.co/WzsWLejUfS)。本書の分担清書には、筒井、濃紫、花扇、菅原という吉原の名妓たちとともに、三代目瀬川菊之丞も参加している。並木五瓶の『青楼詞合鏡』の台詞にあったとおりに浜村屋も東江流…! #江戸漢詩 https://t.co/22RjrjOPsk
玄味子著・磯田湖龍斎画『北里歌』天明6年(https://t.co/WzsWLejUfS)。東奥逸客の序、市河寛斎の自序、九日山人こと平沢旭山の跋。寛斎による吉原を題材とした連作竹枝詞三十首。出版に際して23人の男女が分担清書、その多くが東江流の筆跡。揖斐高著『遊人の抒情』p56参照。 #江戸漢詩 #書くひと https://t.co/c3g31Tcu52

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