10 0 0 0 OA 客者評判記

著者
式亭三馬 作
出版者
鶴屋金助[ほか2名]
巻号頁・発行日
1811

滑稽本。横本1冊。もと上中下3巻を合綴したもの。式亭三馬作、歌川国貞(1世)画。刊記に「文化八辛未年正月二日開市」とあり、「正本所」として塩屋長兵衛・鶴屋喜右衛門・鶴屋金助の3軒が並ぶ。題名の「客者」の読みは、内題がすべて「かくしや」、見返しに添付の包紙が「きやくしや」(掲出本は表紙欠。別本の表紙も「きやくしや」)で、一般の事典類等には「かくしや」で通じている。特に乞うて八文字屋自笑の序文を掲げているように、八文字屋刊行の役者評判記の体裁と内容を模して、歌舞伎の観客を位付けして評判するという内容で、資料の乏しい観客研究においてよく用いられる。役者評判記仕立てのパロディという点では烏亭焉馬の洒落本『客者評判記(きやくしやひやうばんき)』(安永9年[1780]刊)が先行するが、こちらは対象が遊客と岡場所で、挿絵も忠実に役者評判記を模する。対して本書は、開口の挿絵こそ「西川祐信のむかしゑにならふて」とするが、本文の挿絵ではパロディを離れて、観客の諸相を活写している。三都見物の区別から、贔屓定連、芝居好、見功者、芝居通、訳知り、役者きどり等、様々な客層の種別が対話形式によって評判されてゆく。巻末の広告によれば、以上3巻は初編の位置づけで、「惣客者目録」にみえて本文に記載のない「実悪の部」以降は、残編に予定されていたようだが未刊。(児玉竜一)(2016.2)

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式亭三馬 客者評判記 https://t.co/Z0xbwDXCvE 極上上吉の上が真上上吉なのか。極太郎に格下げしようかな。
@LieSoboro @chi22e 完全な現代語訳は未見ですが、僕はくずし字の練習がてら、原文(https://t.co/IiDcG0rVCE)と式亭三馬全集の書き下し文を対応させて読みました。
“国立国会図書館デジタルコレクション - 客者評判記” http://t.co/WIvZ4K445X
@pinpain http://t.co/AM8rntVPot の通り、必ずしも上位とは言えない位置。ひいき定連、しばい好き、見巧者、芝居通、その次。
ミナコしゃんスゲェ RT @cute37go @chi22e @slowaltz つhttp://t.co/s1rigxG4IG
これです。最高。 RT @cute37go: @chi22e @slowaltz つhttp://t.co/MY4pWSEejr
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