11 0 0 0 OA 庭訓往来[抄]

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本写本は、巻頭書名は「庭訓往来」とあるが、内容は明らかにその注釈書であるため、今仮に付した。「庭訓往来」は書簡文例集。古往来物のひとつで、室町時代初期以前に成立。著者未詳。中世武家子弟の読み書きの教科書として編まれたもので、子弟に必要な教養・知識を、往復書簡のかたちで年間の各月に配当して教えた。古往来物のうちで室町・江戸両時代を通じて最も広く流布し、書簡文(候文)の書式・用語・文体の規範となった。慶長以前の古写本約30種と、正文本・付注本合わせて各種大量の刊本が今に伝存している。本写本の別書名『左貫注庭訓往来』は、見返しに「此書左貫注云々」の補注があるのによる。付注者・書写者ともに未詳。紙質・字体・墨色等から室町末期頃の書写と推定される。巻末1丁分を欠くが、付注本中資料的価値の高いものとして知られる。幕末・明治初期の国学者榊原芳野(1832-81)の旧蔵書。

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