著者
田口 正男 渡辺 守 Taguchi Masao Watanabe Mamoru
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 自然科学 (ISSN:03899225)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.25-32, 1995-03-15

水田において、1985年9月と1987年10月にナツアカネのペアー形成と交尾、産卵の行動観察、1989年9月に胸部体温の測定を行なった。水田に飛来した雄は縄張り行動を示さず、雌を発見すると急速に接近して連結態となった。連結態が形成されると雄はただちに移精を行ない、その直後ペアーは交尾態となった。交尾は9時半から13時頃まで観察された(平均交尾時間、323.5±24.2秒)。産卵は交尾終了後、直ちに連結で飛翔したまま開始された(連結打空産卵:平均産卵時間、461.3±19.2秒)。産卵時間とその間に行なわれる雌の腹部の打空回数には正の相関があった。連結打空産卵中の平均胸部体温は、雄で33.9±0.2℃、雌で32.8±0.2℃となり、雄の方が有意に高かった。輻射温度と胸部体温と輻射温度の温度差との関係の回帰直線の傾きについては、連結打空産卵中の雄と雌との間に有意な差は認められなかったが、連結打空産卵中の雄と単独飛翔中の雄との間には有意な差が認められた。これらの結果より、連結打空産卵における雄の役割と連結産卵の意義を考察した。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 5 favorites)

『空中から卵をばらまく』…?連結打空産卵とかいう必殺技みたいな名前なのね。ばらまくのはわかるがなぜ連結…? https://t.co/Ds7lwYFoeE 本文見れないけどオスの体温が単独飛翔時より高いとあるのでオスの方が空気力を大きめに出してメスを支えてるんだろうか。これ研究テーマになるなぁ… https://t.co/wiBCCkwMxN

収集済み URL リスト