著者
藤田 正
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13476971)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.81-86, 2010-03-31

大学生のメタ認知的方略と学習課題先延ばし行動との関係を明らかにするために、大学生161名を対象に、自己調整学習方略尺度と学習課題先延ばし傾向尺度(「課題先延ばし」と「約束への遅延」より構成)を実施した。自己調整学習方略尺度25項目について因子分析を行った結果、「努力調整・モニタリング方略因子」と「プランニング方略因子」の2因子が抽出された。変数間の関係を調べるために相関を検討した。その結果、「努力調整・モニタリング方略因子」は、「課題先延ばし」と「約束への遅延」の両方と有意な負の相関が見られた。また、「プランニング方略因子」は、「課題先延ばし」との間にのみ有意な負の相関がみられた。これらの結果から、自己調整学習方略を構成する2つのメタ認知的方略が先延ばし行動に影響していることが明らかになった。

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