著者
椋本 洋 八尾坂 修
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践研究指導センター
雑誌
教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:09193065)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.51-64, 2000-03-31

生徒指導は生徒一人一人が「日々いかに生きるか」という課題に、具体的にかかわりながら、彼らの自己実現を援助していく営みである。急激な社会の変化の波にさらされる今日、生徒達の在り方・生き方は、きわめて多様であり複雑である。そのような現状の中、いわゆる問題行動は、「深刻化する少年非行―戦後第四の上昇局面」といわれるように増加しており、その行動パターンにも変化が見られる。このような状況の中、「学校は心を育てる場に」と期待されている。高等学校で実施されている指導方法としてほ、問題行動を起こした生徒に対する「懲戒」という対処療法的指導と道徳教育やカウンセリングなど時間をかけた原因療法的指導があるが、実際には、前者の指導に追われる学校が多くならざるを得ない現状がある。そこで、本稿では、取り上げられることの少ない「懲戒」に焦点をあわせ、その問題点を明確にし、さらに近年家庭の教育力の低下などによって増加しつつある「学内停学」の実態を調査し、その課題を考察し課題解決への方向を明らかにしたい。

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