著者
石井 花
出版者
富山大学ヘルン(小泉八雲)研究会
雑誌
ヘルン研究 (ISSN:24328383)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.54-84, 2019-03-31

小泉八雲の再話文学の中には特殊な形態で出版されたものがある。それは、ちりめん本である。八雲のちりめん本は長谷川弘文社から5冊刊行されており、よく知られたものとしては楊枝の妖精が登場する『ちんちん小袴』(Chin Chin Kobakama)が挙げられ、八雲の再話文学を研究するにあたってこれらちりめん本は無視できない重要な作品であるといえる。本稿では、第1章でまず八雲がちりめん本に惹きつけられ、実際に長谷川弘文社から自身のちりめん本を刊行するまでの経緯について書簡を引用しながら整理し、第2章で『若返りの泉』が成立した過程を明らかにしていく。

言及状況

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小泉八雲とちりめん本:『若返りの泉』の成立過程を中心に https://t.co/w1dbnGYB9X 石井花 氏の上記の論文によると、 「若返りの泉」が出版されなかったのは、版元の長谷川武次郎がこの話を日本の物語か疑いを持ったためとのこと。そこでまず、小泉八雲の「若返りの泉」の典拠について考える。

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