著者
岡田 弘司
出版者
関西大学臨床心理専門職大学院 心理臨床センター
雑誌
関西大学心理臨床センター紀要
巻号頁・発行日
vol.11, pp.23-32, 2020-03-15

近年、本邦の医療では安全で質の高い医療サービスを提供するために、多職種で実践されるチーム医療が推進されている。一方、2017年に公認心理師法が施行され、2019年には心理専門職として初の国家資格保有者が誕生し、チーム医療への幅広い貢献が期待されている。本稿では本邦における精神科リエゾンを中心にしたチーム医療の中で心理専門職の活動の動向を捉えたうえで、今後、身体科のチーム医療などで心理専門職がどのように貢献し、そのためにはどのような課題があるのかを主に過去10年間の文献を用いながら検討した。心理専門職のチーム医療での展開として、がん、糖尿病をはじめとする慢性疾患や救急、周産期医療など幅広い疾患や対象に活動が求められ、患者や家族、医療スタッフそれぞれに直接的、間接的に専門技能などを講じていく役割に加え、医療やケアの場全体を下支えする役割が重要であると考えられた。またこれらの役割を実行して行くためには、専門性の向上はもちろんのこと、他の職種と積極的にコミュニケーションをとる社会性の発揮や、医学的知識の修得、多職種協働のための知識とノウハウの学習などが重要であると示唆された。

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精神科リエゾンを中心としたチーム医療での心理専 門職の展開と課題 https://t.co/3Fzfuz0ZKE

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