著者
髙田 晋史
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.441-467, 2021-03-10

本研究では、まず中国における若者を地方へ派遣する取り組みである地方就業プロジェクトの政策展開を整理し、国家政策としての位置付けや地方就業プロジェクトの全体像を明らかにした。次に、従事者に対して実施したアンケート調査から、①地方就業プロジェクト及び農村での就業に積極的な姿勢を示す若者の特徴、②任期終了後に地域での定住や起業、地域から出ても地域との関係保持意向を持つ従事者の特徴、③任期終了後の地域での定住や起業、地域との関係保持意向を促進させるための要点を考察した。その結果、政策展開を見ると、地方就業プロジェクトの国家政策としての重要性が高まっていること、各事業は互いに繋がりを持っており、人材を育成して、供給し合う仕組みが構築されていることなどが明らかとなった。従事者意識については、今後、より地方に若者を集めていくためには、農村に対するポジティブな印象や農業・農村に関する興味・関心の醸成が必要である。また、任期終了後の定住や起業、地域との関係保持を目指す上では、新卒者より一定程度の社会経験を有する人材をターゲットにすることが有効的であることが示唆された。さらに、従事者の地域との関係保持意向を促進するためには、生活及び労働環境の整備が重要であることも示唆された。

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本日付でリリース。中国にも日本の地域おこし協力隊に相当する取り組みがあります。日本ではその政策や制度設計を体系的にまとめたものがなかったので、整理してみました。 https://t.co/jPh9jDksq1

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