- 著者
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石田 陽彦
- 出版者
- 関西大学臨床心理専門職大学院 心理臨床センター
- 雑誌
- 関西大学心理臨床センター紀要
- 巻号頁・発行日
- vol.12, pp.49-58, 2021-03-15
医療モデルを基盤にしない地域臨床が存続するために、行政に働きかけることの重要性を論じ、筆者が携わってきたその具体的な実践例を提示した。その上で次のように考察した。国の施策および、その地域の行政の進み具合など社会的・政治的な動向にも関心を持ち、理解しておくことが必要である。その一方で、その地域で働き、実績を目に見える形で蓄積し、行政の信任を得る必要がある。それによって政策について理解のある行政職に働きかけるなどして、専門的な提案を行政が分かるように持ちかけることが重要である。また、同じ地域で働く他の心理職を支え、育てることも重要である。他の職種との連携においても「リファー」という名のたらい回しではなく、「縦にも横にも切れ目のない支援を行う」ために責任をもって協働し合える他の職種と信頼関係を築くことが求められる。これらをどう教育に組み込むかが今後の課題である。