著者
伊藤 俊秀 岡田 和也
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1-11, 2021-07-30

現在の地球温暖化がCO₂ などの温室効果ガスによるものだとする仮説は一般には疑う余地のない真実であると信じられている.しかし,現在の地球温暖化の主な要因が温室効果ガスであるという直接的で具体的な証拠が示されたことはない.そこで,本稿では素朴な視点で改めて地球温暖化要因論について考察した.まず,地球史における気候変動の歴史を数十万年のスケールで振り返ると地球の気候は寒冷化と温暖化を繰り返しており現代の温暖化が決して特異な現象ではないことがわかる.そこで,気候変動の要因に関する主な仮説を改めて検証した.他方で1980年代以降,CO₂ の増加が温暖化の主要因であるという仮説が生まれ,CO₂ 削減に国際的なコンセンサスが得られた経緯を検証した.確かにCO₂ には温室効果が認められるが,その増加が現在の温暖化の直接的な主要因であるという確証に結びつく証拠はない.そこで過去100年間のCO₂ の増加と温暖化の進展について改めて比較検証した結果,戦後,指数関数的に増大したCO₂ と一貫して線形的に上昇している気候との間に明確な因果関係を見出せないことがわかった.すでにCO₂ 削減問題は政治的問題に発展しており,産業構造さえ変えようとしている.現況下で,今さらCO₂ 削減に懐疑的な提言を行ったところで何ら生産性がないことは心得ているが,CO₂ 削減に向けた世界の動向は一種の狂乱状態にも思え,敢えて提言することとした.

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@Yamamotodaiki89 あなたは「二酸化炭素の排出を抑える = 温暖化が止まる」と考えているようですが、その証拠はどこにあるのですか? (https://t.co/yhCzrJYTEf)←こちらは二酸化炭素と温暖化の関係性を疑う内容です。
気候変動は事実としても、その原因が人間による地球温暖化(二酸化炭素が原因)とは言えない。ちょっとググれば(https://t.co/yhCzrJYTEf)のような批判的な情報はいくらでも出てくる。 この程度の確認もせずに @GreenpeaceJP のようなろくでもない集団と組んで社会を扇動するのは無責任だと思う。 https://t.co/r3PbEOSFn3
スウェーデンでは牧畜関連産業のCO2排出を懸念する人の間でヴィーガン食が流行っているという。スウェーデンといえば、あのグレタさんの国。一方で、地球温暖化とCO2排出量に相関関係を問う意見もある。どっちなんだろう…?! --- 素朴な視点で改めて地球温暖化要因論を問う https://t.co/XLzMdRJsWr
温室効果ガスの温室効果によって気温の上昇がもたらされているとすれば,CO2 が非線形に増加すれば,当然,気温の方も非線形に上昇するはずである.すなわち,図4 はCO2 の増加が気温上昇の主要因ではなく,気温の上昇には別の要因があることを示唆している. https://t.co/5CFZ4KxW7x https://t.co/YRQU2JURig

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