著者
金井 雅弥
出版者
将棋と文学研究会
雑誌
将棋と文学スタディーズ
巻号頁・発行日
vol.2, pp.46-60, 2023

坂口安吾「町内の二天才」は、一九五三年一二月発行の『キング』に掲載された。安吾は将棋の観戦記や将棋を題材とした小説などを書き残しており、将棋に関係する作品が数多く存在する。近年では、二〇一八年に中央公論新社から安吾の将棋と囲碁に関する作品のアンソロジーである『勝負師』が刊行されている。しかし、「町内の二天才」は、将棋が題材となっているのにもかかわらず、このアンソロジーに収録されていない。また、奥野健男が「つまらない」と述べるように先行研究での評価は芳しくなく、これまでほとんど注目されてこなかった。本作は、親バカ同士のちっぽけな意地の張り合いが繰り広げられる小説である。

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金井雅弥「坂口安吾「町内の二大天才」論」 流行した「豆天才」というトピックスの分析。から当時の世相を。 安吾が論及している「職業野球」と「将棋」を対比させ、 棋士のイメージから、芸術たりうる「職業人」のあり様。 戦後の安吾の価値観が解説されている。 https://t.co/09thTD7cFz

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