著者
大澤 弘典
出版者
東北数学教育学会
雑誌
東北数学教育学会年報 = Journal of Tohoku Society of Mathematics Education (ISSN:0910268X)
巻号頁・発行日
no.34, pp.25-34, 2003-03-31

数学的遠近法の教材化について,先行実践(大澤,2001,2002 ; 小関,2001,2002 等)に見られる「既習内容の深化」とは異なる視座からの教材化の可能性を模索した。数学的遠近法を「文化的な遺産」の一つとして捉え,Albertiによる作図法への注視を試みた。彼の作図法を学習者は具体的にどのように理解しうるのか。そこでの学習者の振る舞いおよび中学校数学の関与の可能性を分析・考察した。その結果,次の知見を得た。学習者は彼の作図法を手続きとして容易こ理解できる反面,その手続きの意味の把握に際し幾つかの疑問や困難さを持ちうる。学習者の抱くそれらの疑問の解消に,中学校数学は少なからず貢献しうる。Alberti の作図法を題材とした授業は,中学校においても十分に可能であることがわかった。

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