著者
大城 英名 OSHIRO Eimei
出版者
秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センター
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 (ISSN:13449214)
巻号頁・発行日
no.34, pp.71-80, 2012-05-31

本研究では,特別支援学級に在籍する児童の特殊音節(長音・促音・拗音・拗長音)の自覚とその読み書き習得の実態について検討を行った。対象児は,清音のひらがなが読める特別支援学級児童50名(知的障害40名と情緒障害10名).実施したテスト課題は,音節分解・抽出課題,特殊音節を含む語の読み課題,特殊音節を含む語の書き課題,特殊音節を含む語・文の聴取・書取課題,特殊音節を含む語のモデル構成課題,の計5種類.その結果,(1)特殊音節を含む語の読み課題では,どの特殊音節についても80%以上の正反応率であった.それに対して,書き課題では,拗音と長音が75%前後で,促音が63%,拗長音が53%,の正反応率であった.(2)特殊音節を含む語のモデル構成課題では,どの特殊音節についても正反応率が低く,促音が35%,拘音が23%,勘長音が5%,長音が3%,であった.(3)特殊音節の読み書き課題とモデル構成課題との関係では,特殊音節の読み書きができる児童でもモデル構成課題の正反応率は低く30%であった.逆に,特殊音節を含む語のモデル構成課題のできる児童は,その読み書きの課題の正反応率は高く90~100%であった.これらの結果を踏まえて,特殊音節の読み書きが十分でない児童に対しては,特殊音節の音韻的自覚を促す指導が大切であり,その指導法として特殊音節を含む語のモデル構成法が有効であることを指摘した.

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