著者
山田 丈美
出版者
愛知教育大学大学院・静岡大学大学院教育学研究科共同教科開発学専攻(後期3年博士課程)
雑誌
教科開発学論集 (ISSN:21877327)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.77-88, 2018-03-31

本研究では、人間理解に関わるコンピテンシー育成をめざし、教科横断的指導を手だてとする授業とカリキュラムについて検討した。具体的には、合科的指導として行った国語科と図画工作科の実践2例について、教科横断的指導としての効果検証を試みた。1例目の実践では、言語と絵画を学習教材として、二次元(面)の静的な動作から四次元(空間・時間を含む)の動的な動作化へと児童らが自発的に学習活動を発展させた。1例目をふまえ、四次元での動作化に重点を置いて授業構成した2 例目の実践では、人物の動作に関わる言語及び絵画を対応させる事前テストと事後テストの結果において有意差が見られ、授業効果が確認できた。以上の実践2 例から、国語科と図画工作科の教科横断的指導が人間理解に関わるコンピテンシー育成に効果を及ぼすことが明らかになった。その結果を基に、本稿最後に、人間理解へのアプローチをテーマとする教科横断的なカリキュラムモデルを提示した。

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