- 著者
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三輪 昭子
- 出版者
- 愛知教育大学
- 雑誌
- 教養と教育
- 巻号頁・発行日
- vol.3, pp.43-50, 2003-03-31
日系アメリカ人が1940年代前半に経験した強制収容所と同種の苦渋をイスラム系住民が現在疑似体験している。強制収容所は閉鎖され,再定住化が進められ,一部の人々は西海岸以外に新たな居住地を求めた。移住した人々を含めて,日系アメリカ人は強制収容所の経験について固く口を閉ざした。しかし,その沈黙は破られた。そのきっかけは,アメリカ政府に対する補償運動であった。その明らかになってきた強制収容所の経験について探ろうというのが,本稿の課題である。