- 著者
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北方 晴子
- 出版者
- 文化学園大学・文化学園大学短期大学部
- 雑誌
- 文化学園大学・文化学園大学短期大学部紀要 (ISSN:24325848)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, pp.43-48, 2019-01-31
昨今、「スカート男子」という言葉が聞かれるように、モードに関心の強い若い男性の間ではスカートを履く姿も見ることが出来る。かつて女性専用の衣装と考えられていたスカートが、今なぜ男性に広がりつつあるのだろうか。本研究ノートでは、かつての「男がズボン、女はスカート」の定説がいつごろ誕生し、定着していったのか整理した。そして、服飾史の中でも特異な現象である17 世紀の男性用のスカート風半ズボンの流行、その後のフランス革命直後に現れた男性用チュニックを取り上げた。また、イギリスでは19 世紀後半、男性衣装に関する改革が試みられた。そして20 世紀初頭、組織団体メンズドレスリフォームパーティが設立され、長ズボンを排除し、スカート風ズボンを推し進めようとした。一方で、19 世紀はヨーロッパで民族衣装が再認識された時期でもある。自然回帰、異国趣味、地方趣味、素朴さへの愛好などを重んじるロマン主義時代、作家や芸術家は民衆の生活に注意を向け始めた。東西ヨーロッパ遠隔地や一部では原初的な形としてチュニック形式の男性民族衣装があった。そこで本研究ノートでは歴史にみる男性用スカートとスカート風民族衣装について整理をし、現代男性とスカートについての論考に繋げる足がかりとしたい。