著者
中里 理子 Michiko Nakazato
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.207-218, 2010-02

岩波古典文学大系本『狂言集』上下巻(大蔵流山本東本)に見られるオノマトペを収集し, その特徴を整理した。浄瑠璃や歌舞伎の脚本に見られたオノマトペとは性格が異なり, 次のような特徴が認められた。1)擬音語は, 動物の鳴き声に音マネ的な性格がある。物音の場合は, 慣用的なオノマトペにより舞台上の効果音として用いている。2)擬態語は, 心情を表すオノマトペがほとんど見られない。また, いくつかの定型的表現により, 類型的な劇の構造, 典型的な舞台背景, 典型的な人物像を観客にイメージしやすくさせている。強調表現を効果的に使っている。3)オノマトペに関する言葉遊びとしては, 同音を導くもの, 対句的な使われ方のものが見られ, おかしみを誘う効果がある。

言及状況

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中里理子「狂言台本山本東本に見るオノマトペ : 浄瑠璃・歌舞伎脚本との比較とともに」https://t.co/iDpqtVxXxF リンク先にPDFがあり、論文の本文が読める。オノマトペが列挙されてて単純におもしろい。 >ズブズブズブズブ (水の中に沈んでいく)
おもしれーと思ったら、近くの大学で同じくおもしれーと論文を書いた人がいた。 https://t.co/I6bCdLXyWK

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