著者
岡部 光明

米国では、ここ20~30年間、そこでの宗教の動向ないし精神事情を理解するに際して「宗教的ではないがスピリチュアル」(spiritual but not religious: SBNR)という表現が用いられる場合が増えている。本稿では、その実情、背景、意義、先行きを論じるとともに、日本にとっての含意を考察した。その結果、(1)アメリカ人は生きる動機の追求を宗教教団に所属するよりもむしろ個人的に追求する傾向が強まっている、(2)その背景には新自由主義や個人主義の風潮がある、(3)スピリチュアリティ(精神性)には現代心理学などの知識や知恵が活かされている面がある、(4)こうしたスピリチュアリティという視点はとりわけ医師・看護師・カウンセラーなどヒューマン・ケアに関連する専門職によって重視されている、(5)日本でもスピリチュアリティを重視する自己研鑚の思想があり今後の展開が注目される、などを論じた。

言及状況

Twitter (2 users, 2 posts, 1 favorites)

「宗教的ではないがスピリチュアル(SBNR)」という思想について | 明治学院大学機関リポジトリ https://t.co/uSyZkcIvwz

収集済み URL リスト