著者
野村 信威
出版者
明治学院大学心理学部
雑誌
明治学院大学心理学紀要 = Meiji Gakuin University bulletin of psychology (ISSN:18802494)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.35-47, 2017-03-08

夢の内容と夢の中で経験される感情、そして日常場面における怒りの感情などとの関連について探索的な検討を試みた。首都圏の私立大学生を対象に質問紙調査を依頼し、調査票が回収出来た230名(男性55名、女性175名、平均年齢18.8歳、SD1.2歳)を対象者とした。対象者には最近見た夢の内容について自由記述で回答をもとめ、夢を見ているときの感情や夢を想起する頻度、日常場面で怒りの感情を経験する程度などを尋ねた。報告された191名の夢の内容についてKJ法(川喜多、1986)により分類を行った結果、友人の夢、非日常的な夢、日常的な夢、追われる夢など17のカテゴリに分類された。夢の中でもっともよく経験される感情は「驚き」であり、「恐れ」と「喜び」がそれに次いで多かった。夢の内容のカテゴリを独立変数とする1要因分散分析を日常場面における怒りの感情の程度に対して行ったところ、報告された夢の内容による日常場面での怒りの程度に統計的に有意な違いは認められなかった。

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