- 著者
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周 艶
- 出版者
- 京都産業大学通信制大学院経済学研究会
- 雑誌
- 京都産業大学経済学レビュー (ISSN:21880697)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, pp.17-35, 2017-03
本研究は、Knobe 効果を経済学実験によって検証したものである。Knobe(2003)は人々は悪い副作用を意図的とみなす一方で、良い副作用を意図的とみなさない傾向をもつことを指摘した。哲学分野では、様々な哲学実験を実施し、被験者に、様々な仮想的状況を示した上で、公平無私な第三者の意見を求めるが、被験者が正直に回答している保証がない。本研究は、従来のKnobe効果での副作用(外部性)を引き起こす意思決定者と副作用(外部性)を引き受ける相手との親疎関係を切り替え、謝金に基づいて利己的行動を誘発させる経済実験を行うことによって被験者の回答の信頼度を高める。実験した結果、Knobe効果の普遍性を確認できた。つまり、Knobe効果は副作用(外部性)を引き起こす意思決定者と副作用(外部性)を受ける相手間の親疎関係によらず存在することが示唆された。