著者
山内 勇 古澤 陽子 枝村 一磨 米山 茂美
出版者
科学技術政策研究所 第2研究グループ
巻号頁・発行日
2012-07-06 (Released:2012-08-09)

本研究では、研究開発成果を保護する手段としての特許とノウハウ・営業秘密の重要性に着目し、それらがイノベーション成果に与える影響を分析した。 イノベーションの成果指標としては、(1)過去3 年間における、技術的新規性を持つ新製品・サービスの投入件数、(2)新製品を投入してからの利益期間の2 つを用い、それらの指標に対して、特許とノウハウ・営業秘密の保有量や両者の保有比率が与える影響を分析した。分析の結果、全体としては、特許の保有件数が多い企業ほど新製品の投入件数が多く、ノウハウの保有件数が多い企業ほど利益期間が長いことが明らかとなった。これらの結果は、新製品の投入には、特許権で技術を保護しつつその内容を公開することの効果が大きく、利益の獲得には、技術を秘匿することによる競争優位性の向上効果が大きいことを示唆している。また、特許とノウハウのバランスもイノベーション成果に重要な影響を与えていることが確認された。

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