著者
平川 公子 ヒラカワ キミコ
出版者
大阪大学大学院文学研究科社会言語学研究室
雑誌
阪大社会言語学研究ノート
巻号頁・発行日
vol.8, pp.116-131, 2008-03

本稿では福岡市方言における文末詞バイおよびタイについて以下の記述を行う。(a) バイ、タイはいずれも平叙文にのみ生起し(4.1)、ト、ゲナの後、ネ、ナの前の位置に生起可能なモダリティ形式である(4.2) 。(b)バイは、発話時において聞き手にとって新規である(と話し手が判断する)情報を提示する機能を持つ(5 .1 )。(c)タイは、発話時において聞き手にとって新規で、ある(と話し手が判断する)情報を、自己の知識へ確認・照会した上で提示する機能を持つ(5.2.1)。(d)バイとタイに共通するのは「聞き手には発話時において当該情報が無い」とする話し手の判断である(6.1)。(e)バイは発話時における新規情報を提示する以外の機能は持たないが、タイは提示する情報を話し手が自己の知識や記憶に照会・確認するという機能が付加されている(6.2) 。タイの様々な語用論的意味(5.2.2) はこのために生じる。

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