著者
亘理 陽一
出版者
北海道大学大学院教育学研究科
雑誌
北海道大学大学院教育学研究紀要 (ISSN:13457543)
巻号頁・発行日
vol.100, pp.51-76, 2007-01-31

本論の目的は、コミュニケーションで成功を収めることに貢献しうるような「教育文法」の内容構成のアプローチについて考察することである。文法指導において語用論的側面を重視する既存の枠組み・アプローチを検討すると、教育文法の内容編成の基盤として各文法概念に共通するような原理が必要であることが分かる。そこで、言語学における論理的・意味論的・語用論的含意の区別から、各表現の使い分けを教えるためには語用論的含意の領域にまで踏み込んだ教育内容構成が必要であり、語用論的含意の中でも、Grice(1967[1989])の発話の意味のモデルにおける「一般的会話の含意」(GCI)こそが有効な概念であることを示した。さらに、その前提となる一般原理について、Griceのより単純で包括的な再定式化であるHorn(1984, 1989)の二原理に基づいて、従来の比較表現指導の問題点を整理し、指導過程の基本構造と具体的な問題配列の再構成を試みた。

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ちなみに私は、Hornの2原理と語用論的分業派。>「文法教育の内容編成の基盤としての語用論的原理: 英語の比較表現への適用」 https://t.co/XmVkcKjtK7
最近も、村端(2018) https://t.co/C1BZCtYaIo の後半に語用論研究に基づく論考があったが、私がそれについて発表したのは2007年であった。>文法教育の内容編成の基盤としての語用論的原理 https://t.co/XmVkcKjtK7
文法教育の内容編成の基盤としての語用論的原理: 英語の比較表現への適用 http://t.co/EyGw7RsWXr

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