著者
室橋 春光
出版者
北海道大学大学院教育学研究科附属子ども発達臨床研究センター
雑誌
子ども発達臨床研究
巻号頁・発行日
vol.1, pp.11-17, 2007-03-30

「生きにくさ」には時代的・社会的背景があり、容易には定義し難い。しかし「生きにくさ」は、多数派の生活が基準となりそれが「普通」となるとき、少数派の生活様式のうちに「普通」ならざるものとして現れる。発達障害のある人々は、その特性の強さから往々にして少数派としての生活を強いられる。 同じ「人」であるが故に、そのわずかな違いが偏見を生む。「障害」に現れる心理的特性の背景には、生物学的基盤と社会的環境との相互作用がある。それらの背景に存する諸基盤を理解した上で彼らを援助し支えることのできる社会こそが、真に強い社会であるといえる。

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