著者
久保 拓弥
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.187-196, 2009-07

観測データの背後にある生態学的なプロセスを特定するときに,データの空間構造に由来する空間的自己相関(空間相関) のある「場所差」はとりあつかいの難しい「ノイズ」である.空間相関のある「場所差」はrandom effects として統計モデルの中で表現するのがよい.近年よく使われているGLMM など簡単な階層ベイズモデルでは空間相関のあるrandom effects をうまくあつかえない.そこで空間相関をうまく表現できるintrinsic Gaussian CAR model の概要を説明し,単純化した架空データから得られる推定結果を示す.また階層ベイズモデルが威力を発揮する,欠測のある観測データが与えられた状況での推定結果も示した.

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