著者
横田 晋大 結城 雅樹
出版者
北海道心理学会
雑誌
北海道心理学研究 (ISSN:09182756)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.11-26, 2010-03-31

近年,適応論に基づく研究において,人が様々な種類の外集団からの脅威に対抗するために,脅威の種類に応じた多様な心理メカニズムと行動傾向を持つ可能性に注目が集まっている。本研究では,外集団脅威への適応心理メカニズムの性差を検討した。男性には,外集団からの資源の強奪や暴力 (“妨害脅威”) に対抗するための心理メカニズムが,女性には,外集団から未知の病原体の感染 (“感染脅威”) に対抗するための心理メカニズムが備わっているという仮説を立て,実験室実験にて検証した。大学生166名が参加し,事前に外集団脅威の状況手がかりの有無と種類(妨害vs. 感染)を操作した後,最小条件集団状況で報酬分配課題を行った。その結果,予測通り,妨害脅威条件では男性でのみ,感染脅威条件では女性のみで差別行動が見られた。しかし,予測と異なり,脅威の手がかりが存在しない統制条件においても,男性の差別行動が見られた。

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“外集団脅威への適応心理メカニズムにおける性差研究 : 男性の暴力脅威,女性の病気脅威 : HUSCAP” http://t.co/dpgxQWA0

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