著者
中村 重穂
出版者
北海道大学留学生センター = Hokkaido University International Student Center
雑誌
北海道大学留学生センター紀要
巻号頁・発行日
vol.6, pp.53-73, 2002-12

小論は、日中十五年戦争期の大日本軍宣撫班編纂教科書『日本語會話讀本』の成立について、特にその執筆者像に焦点を当てて論究したものである。その際、これまでの研究では殆ど顧みられなかった戦前の中国語教育との関連性に着目し、教授法、教科書の構成・内容、時代背景を検討した結果、執筆者を善隣書院系の中国語教育を受けた南満洲鉄道株式会社か中国語教育の関係者と推定した。さらに、同書裏表紙の図版を他の資料と比較した結果、特に『巻二』第三版は陸軍多田部隊によって改訂された可能性が高いことを指摘し、最後に、今後の課題として、宣撫班設立及び『日本語會話讀本』の使用実態に関する資料探索の必要性と、日本語教育史の研究領域の拡大の必要性を挙げた。

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宣撫官をちょっと調べてみた_宣撫官は現地の人と仲良くしたと言われているが色々おかしい。大日本軍宣撫班編纂教科書の教科書の内容がみえる 中村, 重穂氏の論文https://t.co/ETRezUvGPW 特に変なものを抜粋すると「話は後だ」のところ

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