著者
日高 茂暢
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.114, pp.101-121, 2011-12-27

【要旨】発達障害の一つである自閉症スペクトラム障害 (Autism-Spectrum Disorders: ASD) は,社会性の質的な障害を特徴の1 つとして有する。ASD における非定型的な表情認知が社会性の障害の背景として指摘されてきた。一方,実験場面において比較的良好な表情認知成績を示すASD の知見がある。そのため,ASD の非定型的な表情認知を検討するために,実験場面と日常場面における表情処理の差を考えることが重要である。日常場面で他者の情動状態を推測するとき,最適な解は表情処理だけでは得られない。場面に適切な表情の意味処理を行うために,場面情報から表情の情動的意味処理を促進する文脈的情報が抽出される必要がある。本稿では,ASD における表情認知の問題を,視覚的物体認知における大細胞系視知覚の知見をもとに,表情処理を促進させる文脈の問題として検討する。定型発達とASD における場面情報と表情認知の研究を比較し,ASD における文脈にもとづいた表情認知の問題を示した。

言及状況

外部データベース (DOI)

Yahoo!知恵袋 (1 users, 1 posts)

https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/48187/1/05Hidaka.pdf 自閉症スペクトラム障害の方が、健常者に比べると、サッチャー錯視の効果は小さいという結果が多くあります。 定型発達者は顔の全体的処理をしているのに対し、自閉症者は、部分の特徴を用いた処理をしているからであると推測されています。

Twitter (3 users, 3 posts, 3 favorites)

【Memo】 閾下知覚で思い出した!時間ある時に読む→『自閉症スペクトラム障害における文脈にもとづく表情認知過程』 http://t.co/edtaMeMw

収集済み URL リスト