- 著者
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渡辺 隼人
- 出版者
- 北海道大学大学院教育学研究院
- 雑誌
- 北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
- 巻号頁・発行日
- vol.114, pp.151-165, 2011-12-27
【要旨】広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorder,PDD)における言語障害の原因となりうる聴覚情報処理特性について検討した。ミスマッチ陰性電位(mismatch negativity,MMN)と呼ばれる事象関連電位(event-related potential,ERP)成分を指標とした検討では,PDDは母音の周波数変動に対して特異的に定型発達よりも敏感であることを示唆する結果が得られている。この結果は定型発達に比べて応答する周波数帯域が狭い神経細胞が多く存在することによって説明できる。PDDではN1,M100と呼ばれるERPおよびERF(event-related field)成分が定型発達に比べて遅延する場合があるが,これは応答する周波数帯域が狭い神経細胞の影響による聴覚情報処理過程発達の異常による可能性がある。