著者
竹内 望
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
no.70, pp.165-172, 2012-03-31

クリオコナイトとは, 氷河の雪氷中に含まれる暗色の物質である. 主に大気由来の鉱物粒子と雪氷上で繁殖する微生物, その他の有機物で構成され, これらは糸状のシアノバクテリアが絡まりあってクリオコナイト粒という粒状の構造体を形成している. クリオコナイトは氷河表面のアルベドを低下させ, 氷河の融解を促進する効果をもつ. クリオコナイトは世界各地の氷河にみられる物質である一方, その量や特性, 構成する微生物は氷河によって異なる. 近年グリーンランドや一部の山岳氷河で, 裸氷域のアルベドが低下していることが報告され, その原因としてクリオコナイトの量の増加があげられている. このような変化は, 現在の地球規模の気候変動が, 氷河生態系にも大きな影響を与えていることを示唆している.

言及状況

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グリーンランドや南極の氷河が溶けている要因は地球温暖化の他に、クリオコナイトという極寒でも生きられる黒色の微生物の塊が増えていることも挙げられるらしい。黒い粒なので太陽光をたくさん吸収して周りの氷を溶かしている。 クリオコナイトと氷河の暗色化 : HUSCAP https://t.co/lEF95Fhj4Z
関連:クリオコナイトと氷河の暗色化 https://t.co/rUotAf0LTT  雪氷藻類:色づく雪と氷の不思議 https://t.co/2QuqF1fRRQ  雪氷生物と氷河 https://t.co/OpnlsLSATu https://t.co/oTILRhg0r8

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