著者
上村 佳孝 三本 博之
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.39-50, 2011-03-31

動物の交尾器, 特にオス交尾器の形態は, 他の形態形質よりも進化・多様化が速い傾向にあり, その機構について議論が続いている. 本稿では, モデル生物であるキイロショウジョウバエを含むキイロショウジョウバエ種群について, 交尾器形態の機能とその進化に関わる研究についてレビューした. オス交尾器による創傷行動の発見により, 従来の研究では見出されてこなかった, オス交尾器に対応した多様性がメス交尾器の側にも同定されるようになった. しかし, メス交尾器の多様性は, 柔軟な膜質構造の形態変化によるものが多い. 交尾時の雌雄交尾器の対応関係の把握は, そのような旧来の手法では観察の難しい構造の特定を容易にし, 種間比較や操作実験による機能の研究に足がかりを与える. そのため手法の一つとして, 交尾中ペアを透明化する技術を紹介し, 本種群が交尾器研究のモデル系となる可能性を示す.

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著者
石田 完
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科學. 物理篇 (ISSN:04393538)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.59-72, 1964-03-25
著者
酒井 昭
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科學. 生物篇 (ISSN:04393546)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.47-76, 1977-03-15
著者
広瀬 侑 佐藤 桃子 池内 昌彦
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.9-15, 2009-03-31

シアノバクテリアは真正細菌の中で独自の分類群を構成するが,非常に多様で生態学的にも重要である.またモデル生物として研究が非常に進んでいる.研究材料として代表的な種を選んでその特徴を概説する.
著者
高橋 修平
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科學. 物理篇 (ISSN:04393538)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.13-46, 1979-03-26
著者
本堂 武夫
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.141-156, 2006-03-22

The plasticity of ice, which demonstrates the strongest anisotropy among the various properties of ice, is reviewed in terms of the characteristic nature of dislocations in ice. Ice is deformed as if all possible sliding systems except for basal sliding are forbidden; like a deck of cards in which the surface is parallel to a basal plane. This peculiar nature of ice plasticity is explained by the characteristic structures of dislocations in ice, or by the fact that it originates with cubic structure Ic embedded in hexagonal ice Ih. The dislocation in ice extends over the basal plane because there is a very small energy difference between Ih and Ic that restricts its movement on the basal plane. Even though only the basal system is active in ice plasticity, it is apparent in the text that non-basal systems are also important in the deformation mechanism.
著者
小池 裕幸
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.431-447, 2009-03-31

分光測定は,今や生化学,分子生物学では欠かすことのできない基本測定法である.さらに,光合成の分野では光誘起の微少スペクトル変化の測定も,分光光度計を使ってなされる.本項ではこの分光測定の基礎と,その装置の仕組みを解説する.
著者
竹内 望
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
no.70, pp.165-172, 2012-03-31

クリオコナイトとは, 氷河の雪氷中に含まれる暗色の物質である. 主に大気由来の鉱物粒子と雪氷上で繁殖する微生物, その他の有機物で構成され, これらは糸状のシアノバクテリアが絡まりあってクリオコナイト粒という粒状の構造体を形成している. クリオコナイトは氷河表面のアルベドを低下させ, 氷河の融解を促進する効果をもつ. クリオコナイトは世界各地の氷河にみられる物質である一方, その量や特性, 構成する微生物は氷河によって異なる. 近年グリーンランドや一部の山岳氷河で, 裸氷域のアルベドが低下していることが報告され, その原因としてクリオコナイトの量の増加があげられている. このような変化は, 現在の地球規模の気候変動が, 氷河生態系にも大きな影響を与えていることを示唆している.
著者
大和 勝幸 石崎 公庸 河内 孝之
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.23-29, 2009-03-31

ゼニゴケは,陸上植物の進化を考える上では基部陸上植物の1つとして鍵となる存在である.近年,形質転換法やゲノム情報などの分子生物学的ツールが整備され,実験生物として注目されはじめている.新たなモデル植物としてのゼニゴケの特性を紹介しつつ,その基本的な扱いについて紹介する.