著者
清水 一史
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.1-9, 2013-02-21

現代世界経済の構造変化のもとで, 東アジアの経済統合が更に求められてきている。世界経済の構造変化の中でASEANは1976年から域内経済協力を進め, ASEAN自由貿易地域(AFTA)を確立し, 現在は2015年のASEAN経済共同体(AEC)の完成を目指している。アジア経済危機後には, ASEANを中心に広域の東アジアの地域協力とFTAも進められてきている。そして世界金融危機後の構造変化が, 東アジア経済統合の実現を強く迫っている。世界金融危機後にこれまでの東アジアと世界経済の成長の構造は転換を迫られ, ASEANや東アジアの経済統合がより求められるようになった。また世界金融危機後のアメリカの状況の変化は, 対アジア輸出の促進とともにTPPへの参加を促し, TPPの構築の動きはASEANと東アジアの経済統合に大きな影響を与えている。本稿では, 世界金融危機後の世界経済と東アジア経済の構造変化のもとにおける, 東アジアの経済統合を考察する。

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