著者
阿部 智和
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.87-113, 2013-06-11

本論文の目的は,1990年代末までに日本で積み重ねられてきたオフィス空間のデザインに関する研究の到達地点を明らかにし,今後の課題を明らかにすることにある。より具体的には,以下の3点を論じていく。すなわち,①1990年末までに取り組まれてきたオフィス空間のデザインに関する研究では,建築学者たちを中心としてオフィス空間内の快適性や機能性の向上に注目を向けてきたこと,②その一方で,経営学のアプローチを用いて,オフィス空間のデザインとモラールや組織内のコミュニケーションに関する実証研究が積み重ねられてきたこと,③しかしながら,これら2つの研究では,ニューオフィス化運動に代表されるホワイト・カラーの生産性向上を目的としたオフィス空間の改革時に注目されてきた,オフィス空間内でのホワイト・カラーの実際の行動やオフィス空間のデザインとパフォーマンスの関係の解明などに対して十分な実証努力が払われなかったという課題が残されていたこと,の3点が示される

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メモ 日本におけるオフィス空間のデザイン研究の変遷 ――快適性と機能性の追究― https://t.co/ESN0A82Oia

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