- 著者
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及川 智博
川田 学
- 出版者
- 北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター
- 雑誌
- 子ども発達臨床研究 (ISSN:18821707)
- 巻号頁・発行日
- vol.7, pp.37-47, 2015-03-25
本研究は、運動会活動初期における遊戯の練習場面の、幼児―教師間および幼児同士の相互作用の形態に着目し、従来の保育における研究では十分検討されてこなかった、保育実践における規範を幼児や教師が形成していく仕組みと過程を明らかにすることを目的とした。ある幼稚園の年長学年が毎年運動会で行なう遊戯 <よさこいソーラン> の練習場面を対象として参与観察を行った。結果、遊戯の練習場面における規範を形成・共有する以下の2つの仕組みを見出した。第1に、教師の特定の働きかけの継続により、判断基準やその到達点が曖昧な、踊りの上達に関する規範が学年内に形成されたこと、第2に、規範における行動の参照点を見出すために、幼児たちがクラス間の関係性を変容させることで、規範が共有・維持されていったこと、である。また、運動会当日へ向けて練習が継続していくなかで、これらの仕組み、および規範が変化していったことが示唆された。