著者
坂野上 淳
出版者
北海道大学高等教育推進機構 高等教育研究部 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.59-64, 2015-07

サイエンスカフェにおいては,話題提供者である研究者とファシリテーターの存在が必須である.ファシリテーターに求められる能力が単に研究内容を理解し一般向けに言葉を移し替えることなら研究の同業者がいいだろう.一方で,こうしたカフェでは,“参加者が先生同士の対談を見物する”という図式を招くおそれもある.そこで,科学の素人がファシリテーターを務めることにも意味があると考え,筆者らが大学で企画したサイエンスカフェを紹介したい.話題提供者である専門家と一般事務職員が務めるファシリテーターによるカフェは想像以上に好評を持って迎えられた.特に理解のプロセスに対する評価が高かったが,そこにはファシリテーターとスタッフによる準備段階でのストーリー作成が必要だった.一般市民が,自分と同じレベルの科学リテラシーを持つファシリテーターが作り上げたストーリーに沿って研究を理解するとき,知的な充実感が高まり,大きな満足感を感じられるのだろう.

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costepのジャーナル本年前半分が公開されたので軽くチェック.http://t.co/eBLqaAaIT1 事務職員によるサイエンスカフェ実施の報告は後で細かく読む.http://t.co/hU77LV1lYT

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