著者
新岡 昌幸
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.130, pp.133-149, 2018-03-30

2003年,地方自治法が改正され,新たに指定管理者制度が導入された。これにより,民間企業を含めた「法人その他の団体」に,「公の施設」の管理運営を,使用許可権限をも含めて包括的に委託することが可能になった。「公の施設」には,公立図書館も含まれることから,この管理を指定管理者に委ねようとする地方公共団体が増えつつある。周知のように,公立図書館は,その利用が無料とされ,収益性を前提としない施設であることから,そもそも指定管理者制度はなじまない,との反対論が,図書館関係団体等から強力に展開されてきた。しかし,その主張のなかには,指定管理者制度固有の問題と言えるか疑問のあるものなどが含まれ,有効な反対論になっていないように思われる。そこで,本稿では,「公の施設」を含む公共財の提供は,国家ないし地方公共団体の主要な役割であることを確認し,その役割をアウトソースする際の法的限界の所在を探るとともに,公立図書館への指定管理者制度の導入が如何なる場合にその限界を超えるかを検討する。

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図書館法と地方自治法(指定管理者制度に関する文科省の解釈)との関係については、こちらの論文が詳しそう。確かに、強引な解釈なように思う。 公立図書館と指定管理者制度 : その法的限界 https://t.co/IiSY8orlZP https://t.co/vsypRrPrEz
PDF「公立図書館と指定管理者制度 : その法的限界 新岡昌幸」『裁判で不利になる可能性のある図書館資料の提供をできるだけ控えたいと考えることは,民間企業等の立場からすれば,当然』 / 1件のコメント https://t.co/NnuxBHY6uJ “https://t.co/LaYhta22gH” https://t.co/HgegsuWToy
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公立図書館と指定管理者制度 : その法的限界 Author(s) 新岡, 昌幸 Citation 北海道大学大学院教育学研究院紀要, 130: 133-149 Issue Date 2018-03-30 DOI 10.14943/b.edu.130.133 Doc URL https://t.co/bS6YOgzpjD Type bulletin (article) File Information 080-1882-1669-130.pdf //メモ

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