著者
持田 誠
出版者
浦幌町立博物館
雑誌
浦幌町立博物館紀要
巻号頁・発行日
vol.20, pp.21-29, 2020-03

浦幌町字活平に所在する活平神社には、1921(大正10)年9月に奉納された絵馬が存在する(図1)。現在、浦幌町内に残っている社寺所有の絵馬のなかでは、博物館で把握している限り、厚内神社に残る1909(明治42)年奉納の絵馬(持田 2019)に次いで古いものである。この絵馬には、奉納者として「廣島県人 丸岡キサノ」の名前がみられる。また、一般的な絵馬が板に絵で馬を描くのに対し、この絵馬は刺繍によって製作されているという、大きな特徴がある。しかし、『浦幌町史』などの公刊資料には、丸岡キサノに関する記述は無く、またこの絵馬についても言及されている資料は見当たらない。そこで博物館では、丸岡キサノの孫にあたり、丸岡家の歴史について独自に調査を実施してきた丸岡繁喜氏(現在は北広島市に在住)から聞き取りを行なった。次に、丸岡家に残る写真や家系図、キサノと、キサノの長男である栄三氏の手記などを実見し、町史や部落史などの関連資料と照合しながら内容を検討した。本報では、これらの調査をもとに、丸岡キサノとはどういった人物なのか、なぜこの絵馬が奉納されたのか、などの資料情報の収集と、地域における絵馬の地方史的な意義について検討した。

言及状況

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コロナで未だ広島での現地調査が叶わぬ中、webで興味深い資料を見つけたよ。 『活平神社に残る丸岡キサノ奉納の絵馬』 山田家と同じく下志和地にルーツを持つ人の記録。 https://t.co/oio7pbbhyW 『山田家文書備後国三次郡下志和地村山帳・御免割帳』 これはヨソの山田かな。 https://t.co/FzDSvP3Xmu https://t.co/e4AIDR201l

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