- 著者
-
小林 由子
- 出版者
- 北海道大学高等教育推進機構国際教育研究部
- 雑誌
- 日本語・国際教育研究紀要
- 巻号頁・発行日
- vol.23, pp.37-57, 2020-03
日本語・日本文化研修留学生制度は、日本国外で日本語・日本文化を専攻する学部学生が原則として1年間日本の大学に留学するものである。2019年現在、全国73大学において大使館推薦国費留学生を中心に受け入れが行われている。北海道大学では、1981年から受け入れが始まり、その後、言語文化部に日本語・日本文化研修コース(本稿では修了要件を備えた一連の科目群を「コース」と称する)が設置された。1991年に留学生センターが設置されて以降、数回の制度改革を経て、2019年現在、1年コース定員40名、半年コース定員各期20名、年間合計定員80名と、日本語・日本文化研修プログラムとしては全国最大の規模の受け入れを行っている。この制度改革には、北海道大学における留学生教育受け入れ制度の変化・協定大学との学生交流強化・カリキュラムおよび履修科目の見直し・内規改訂など様々な側面がある。本稿では、資料にもとづいて北海道大学における日本語・日本文化研修プログラムの変遷と制度改編について詳述し、北海道大学における日本語教育の歴史的変遷、および日本語・日本文化コースの展望について考察する。