著者
渡邉 仁
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.137, pp.1-30, 2020-12-23

本研究では,国内外の高校における学校適応研究の研究動向を掴み,今後の研究課題を指摘することを目的とした。具体的には,学校適応の実態把握,関連要因,学校適応が他の問題に及ぼす影響を検討した研究を概観した。その結果,学校タイプや学年によって生徒の学校適応の様相が異なり,学校適応の関連要因は多岐にわたっていることが示唆されていた。また,在学中の学校適応が卒業後にまで影響していることが指摘されていた。社会的背景に困難を抱える生徒が多い非進学校では,生徒は入学してすぐに学校適応問題に直面し,教師の働きかけによって適応することもあれば,留年や中退することもある。しかし,これまでの学校適応研究では教師側の視点や生徒の社会的背景,留年や中退等は検討されていない。したがって,今後は高校の多様性や学年差を考慮し,留年や中退も視野に入れ,教師側の視点や生徒の社会的背景をみる観点から検討する必要性が示唆された。

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対人関係編6 『高校における学校適応研究の過去10年の動向と課題』 適当要約: ①学校適応は学業的、社会的、行動的な3つの要素から成る ②学校適応の関連要因は大別するとA学校内 B仮定多岐にわたり、在学中の学校適応が卒業後まで影響している。 https://t.co/tAIbkVwioy

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