著者
坪田 敏男
出版者
低温科学第81巻編集委員会
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.173-180, 2023-03-20

クマ類の冬眠は,体温の降下度が小さい,中途覚醒がない,筋肉や骨の退行がない,インスリン抵抗性になる,などの特徴を有する.オスでは,冬眠中(2~3月)に精子形成が再開し,メスよりも早く冬眠から覚める.メスは,初夏の交尾後に着床遅延を維持するが,冬眠導入期(11月下旬~12月上旬)に着床する.その後約2ヶ月で胎子発育を完了し,冬眠中間期の1月下旬~2月上旬に出産する.さらに冬眠後半期に新生子を哺育するが,母グマのみ冬眠を継続する.ヒグマやツキノワグマと違ってホッキョクグマでは,メスだけが出産・哺育のために冬眠するが,雌雄共に夏~秋にはほぼ飢餓状態になるため“歩く冬眠”と呼ばれる冬眠様生理状態に切り替える.

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