著者
黒田 乃生
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture = Landscape Research Japan Online (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.659-664, 2002-03-30
被引用文献数
10

我が国において身近な生活の場であった森林について,その利用の変遷と景観の変容を把握することは今後重要であると考えられる。白川村荻町の森林では多様な利用が続けられてきたが,1960年代を境にその多くが衰退,消滅したことがわかった。1960年代までは森林の利用がその時々の森林区分と相まって多様な林相を示していた。その後,草地の減少が最も大きな景観の変容として現われ,それまであいまいだった集落と森林の境がより明確に変化した。これらのことから地区の森林において,その利用が景観に直接影響すること,現在見られるような高木に覆われた森林景観が利用の減少によってここ数十年で形成されたものであることが明らかになった。

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