著者
薬袋 秀樹
雑誌
三田図書館・情報学会研究大会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.29-32, 2018-10-13

本研究の目的は、図書館法の検討過程において検討を主に担った日本図書館協会を中心とする日本の図書館関係者が公共図書館基準に関して行った議論の特徴を明らかにすることである。図書館法案とそれに関する意見を中心とする検討過程の資料を収集し、基準に関する記述を抽出し分析した。これまでの基準研究をもとに、基準に関する議論の特徴と今後に向けての課題に着目した。主要な成果は次の通りである。議論の特徴として、基準が必要となった理由(図書館令施行規則)、基準の種類(最低基準、望ましい基準)と要請度、基準の形式(法律、省令、公示)、参考資料(アメリカ図書館協会の基準)に関する事項がある。今後の課題として次の4点がある。①アメリカ図書館協会と文部省では組織の性格が異なる。②望ましい基準は最終段階で取り入れられたため、経過と対応に関する議論が必要である。望ましい基準は「充分な図書館奉仕」の努力義務規定が削除されたため設けられた。③海外との経済力、図書館の現状、社会的背景の相違の検討、日本における発展段階の設定と達成期間の検討が必要である。④要請度の高い規定の修正を要求する財政、地方行政の所管官庁との関係が重要である。

言及状況

Twitter (1 users, 2 posts, 0 favorites)

【図書館法13】関連資料に、薬袋秀樹「図書館法の検討過程における公立図書館基準に関する議論の特徴」改訂版(三田図書館・情報学会研究大会発表資料の改訂)(https://t.co/Lp39Ys2FiM)があります。公立図書館基準に関わる範囲で図書館法の検討過程を扱っており、法案も対象としています。
【案内】薬袋秀樹「図書館法の検討過程における公立図書館基準に関する議論の特徴」(三田図書館・情報学会研究大会発表資料)改訂版(https://t.co/Lp39Ys2FiM )をつくばリポジトリで公開しました。三田図書館・情報学会でも公開していただいていますが、それを若干修正・加筆しています。

収集済み URL リスト