著者
任 利 Ren Li
出版者
筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科日本語学研究室
雑誌
筑波日本語研究 (ISSN:13424793)
巻号頁・発行日
no.8, pp.72-89, 2003-11-30

本稿では明治初年から現在までに発表された小説を用い、終助詞「かしらん>かしら」という語形変化の流れの中での男女の使用差を調査した。昭和前期頃に語形が「かしら」に定着するとともに、女性的な表現として定着していることが分かった。また、明治後期の男女の使用差を考察したところ、明治後期の作品では、女性の発話に丁寧体と共存して終助詞「かしら」を使用する用例が多く見られた。これは、直接的な問いかけや依頼を避け、柔らかな丁寧さを示しており、明治以後形成された発話の仕方における男女差の反映と見られる。小説の世界では、明治後期から「かしら」を使用する女性のステレオタイプが形成され、大正期・昭和期をへて、現在に至り「かしら」が女性的表現として定着してきたと考えられる。

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@5BZfw3saUbQKQ7q さらに調べてみたらもっと適当そうな論文が見つかりました。ご参考までに。 https://t.co/U5B8czlP6w
よりリアリティを出すのであれば現代小説に「かしら」は使うべきではない?終助詞「かしら」における男女差の形成:近代小説における用例調査を中心に | つくばリポジトリ: https://t.co/SWRwwzlVan

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