著者
三輪 芳朗
出版者
東京大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學論集 = The Journal of Economics (ISSN:00229768)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.55-122, 2020-05-01

2016年8月の山本幸三行政改革担当大臣就任と続く筆者(三輪)の大臣補佐官就任以後の準備期間を経た同年12月の経済財政諮問会議の「統計改革の基本方針」決定により,「EBPM推進体制の構築」を第1議題とする統計改革推進会議が創設された.この会議の活動開始を明確な契機として,政府のEBPM推進の取り組みがスタートし,その後の大方の予想を上回るスピードでの展開を経て今日に至っている.2020年2月に刊行された大橋弘編『EBPMの経済学』(大橋編,2020)は,この取り組みの本格化後まもなくTCERのconference企画としてスタートし,2年強の時間をかけて出版にこぎつけたものである.各論文(そしてペアとなる各コメント)の内容はかなりのバラツキがある(端的に言えば,実質的にバラバラ). 本稿は,中心的読者としてEBPM推進に取り組む政策立案担当者を含むEBPM推進関係の実務家を想定する.政策決定は政治プロセスの中で行われる.筆者は,いわば至近距離に位置してこの展開過程を注視し時には参画してきた.この経緯・経験に基づき,必要最小限の関連情報を,支障のない範囲内で提示して,本稿の読者の参考にし,本書の内容の理解と今後の活動に役立てる一助とする.

言及状況

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“日本政府のEBPM推進の取り組み,その開始から現状に至る過程 : 大橋弘編[2020]『EBPMの経済学:エビデンスを重視した政策立案』(東京大学出版会)の刊行を契機に”
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