著者
長沢 工 三浦 勝美
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.579-588, 1988-03-31

1987年9月11日に西日本上空に出現した大火球は,進行中に強い衝撃波を発生させた.その衝撃波が地表に達したときの震動は,東京大学地震研究所,白木微小地震観測所の6ケ所の地震計,高知大学地震観測点の2ケ所の地震計に記録された.これらの地震記録から計算した結果,火球は,東経133°,北緯34°.28の地点を68.6kmの高さで通過し,北から37°.7西に向いた方向へ,水平と34°.3の角をなして通過したことがわかった.したがってこの火球は四国を越えて広島県北部に達したと見られる.地震計の記録だけから火球径路が決定できたのはこれが初めてのことである.これだけはっきりと径路を決めることができれば,隕石捜索の場合には非常に有力な資料となる.

言及状況

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地震計の記録から火球の経路を求めるという研究 (続き) http://t.co/IW1IEbjl  写真から経路を求めた例(つくば隕石) http://t.co/gI7PCamH

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