著者
飯高 隆 中村 功 溝上 恵
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大學地震研究所彙報 = Bulletin of the Earthquake Research Institute, University of Tokyo (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.37-50, 1989-06-30

関東地方においては,これまでに地震波速度構造の不均質性について様々な研究がなされてきた.これらの研究の結果,太平洋プレート,フィリピン海プレートの沈み込みが示された.このように複雑な構造をした地域において,沈み込むプレートの形状を求めることは,大変重要なことである.東京大学地震研究所の日立(HIT)の観測点の地震波記録で,P波とS波の間に立ち上がりのはっきりした後続波が見られた.この研究では,この後続波が,沈み込む太平洋プレート上面でPS変換された波であることを明らかにし,この変換波を用いて沈み込む太平洋プレート上面の深さを求めた.このように変換波を用いる方法は,プレート上面の深さを求めるのに有効であることが知られている.この研究において,関東地方下で求められた太平洋プレート上面は,日立の観測点下で約60kmの深さに求まり,その面は2重深発面の上面にほぼ一致した.また,この深さはS波の反射から求められた結果(小原,1987)と矛盾しない.

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